一年を24に分けたものを二十四節気と呼び、
それをさらに3等分ずつにしたものを七十二候と呼びます。
ひとつの節気で大体15日間、ひとつの候で約5日間です。
12月22日~12月26日頃は、二十四節気で言うと「冬至」、
七十二候は「乃東生(なつかれくさしょうず)」と名付けられています。
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二十四節気が冬至を迎えました。
冬至は昼間が最も短い日のこと。
この日を境に、昼間の時間が長くなっていくので、
生命力が復活する日としてお祝いする習慣がありました。
そして今回の七十二候は「乃東生」
実は、二十四候が「夏至」の際に、
「乃東枯(なつかれくさ かるる)」という七十二候がありました。
冬至と夏至で、七十二候がちょうど対応しているのですね。
乃東(なつかれくさ)は、うつぼ草のことです。
冬至の頃に芽が出て、夏至の頃に枯れるという不思議な植物です。
うつぼ草についてはすでに夏至に記事を書いているので、ぜひご覧ください。
(うつぼ草の記事はこちら)
今回は、冬至についてお話ししようと思います。
冬至にはカボチャを食べたり、柚子湯に入ったりします。
これらを行うと、風邪をひかないという説がありますね。
全国的に有名な俗信だと思います。
俗信についての辞典を調べてみましたら、
・冬至にカボチャを食べないと腸が腐る
・冬至にカボチャを食べると金銭に不自由しない
というものも載っていました。
この2つは、地方の俗信のようなので、
カボチャを食べると風邪を引かないというのが、口伝えで伝わっていくうちに、
地域ごとに変化したのかなと推測します。
昔話など、口伝えで広まったものは、
伝達の過程で多くのバリエーションが生まれるというのは、あるあるです。
また、『徒然草』の161段に、
花のさかりは、冬至より百五十日とも、時正の後、七日ともいへど、
立春より七十五日、おほやうたがはず。
という記述があります。
現代語訳すると、
桜の花の盛りは、冬至から数えて百五十日目とも、
春分の後の七日目とも言うけれど、
立春から数えて七十五日目というのが、大体狂いないものだ。
となります。
昔の人は、桜の見頃をそうやって考えていたのですね。
驚きです。
この数え方でどこまで正確に見頃を予測できるのかは分かりませんが、
冬至、春分、立春といった重要な季節の節目と、
日本人が愛してやまない桜の盛りを結び付けて考えているところが、
なんだかとても日本らしいなと思いました。
さて、今から百五十日後に、果たして桜は見頃を迎えているのか?
皆さまもぜひ確かめてみてくださいませ。