一年を24に分けたものを二十四節気と呼び、
それをさらに3等分ずつにしたものを七十二候と呼びます。
ひとつの節気で大体15日間、ひとつの候で約5日間です。
11月28日~12月1日頃は、二十四節気で言うと「小雪」、
七十二候は「朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)」と名付けられています。
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冬の北風が荒々しく感じられる時期になりました。
七十二候では「朔風」で「きたかぜ」と読んでいますね。
「朔風」は一般的には「さくふう」と読みますが、
北から吹く風を意味する言葉なので、
七十二候では朔風=きたかぜと読んでしまっています。
「朔」にはいくつか意味があり、
・月の第1日目(ついたち)
・はじめ
・よあけ
・北
このような使い方があります。
私達に一番馴染みがあるのは「朔日(ついたち)」でしょうか。
「朔日」を漢語的に読むと「さくじつ」です。
でも「ついたち」を意味するので、
「朔日」を「ついたち」と読んでも良いことになっています。
「ついたち」という言葉は元々「月立ち」から来ています。
これから月が満ちていくので月が立つと表現しているのです。
そして「月立ち」の反対は「月ごもり」です。
月末になり、月が見えなくなることを「月ごもり」と表現しました。
「つごもり」という言葉を古典の授業で習いませんでしたか?
月の最終日のことを古典の世界では「つごもり」と言いますが、
「月ごもり」が変化して「つごもり」になったのです。
あれ、月の最終日は「みそか」なのでは?
と思った方もいらっしゃるでしょう。
一年の最後、12月の最終日も「大みそか」と言いますものね。
実は「みそか」も「つごもり」も、
どちらも月の最終日を指す言葉なのですが、語源が違うのです。
「みそか」は漢字で「三十日」と書きます。
月の30日目ということで、月の最終日という意味になりました。
ちなみに、「大みそか」は「大晦日」と書きますが、
「晦」は日や月の光がなく、空が暗いことを意味する漢字です。
今回は漢字や言葉の成り立ちのお話となりました。
月が立つから「ついたち」、月がこもるから「つごもり」
日本語は美しいですね。