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【秋分】雷はどんな存在?

一年を24に分けたものを二十四節気と呼び、

それをさらに3等分ずつにしたものを七十二候と呼びます。

 

ひとつの節気で大体15日間、ひとつの候で約5日間です。

 

9月22日~9月27日頃は、二十四節気で言うと「秋分」、

七十二候は「雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ)」と名付けられています。

 

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二十四節気が秋分になりました。

 

春分と秋分は、昼と夜の長さがちょうど同じ時期。

残暑の厳しさも落ち着き、急に涼しくなってきたように感じます。

 

そして七十二候の通り、そろそろ雷が収まる時期です。

 

 

さて、今回は雷のお話。

 

現代人は「かみなり」という言い方をしますが、

古典を見ると、「いかづち」「いなびかり」「なるかみ」など

様々な言い方が存在します。

 

古くは「いかづち」「なるかみ」という言い方が多く、

江戸時代の手前頃から「かみなり」が広まったようです。

 

ちなみに、「なるかみ」は鳴神と書きます。

雷は自然現象ですが、昔の人は雷を神格化して考えることがあったのです。

 

「かみなり」も「神鳴り」と表すことができますね。

 

日本神話の中で、有名な雷の神というと、

鹿島神宮や春日大社に祀られているタケミカヅチがいらっしゃいます。

 

 

話を「いかづち」に戻しますが、

実は「いかづち」も元々の意味は神様が関係します。

 

いか + つ + ち → 厳 + の + 霊

 

となり、意味は「猛々しく恐ろしい神」という感じになります。

 

きっと昔の人は、

猛々しく恐ろしい神が雷を引き起こしている、と考えたのでしょう。

 

雷が落ちて火事になったら、被害は一気に拡大します。

当時の人たちにとって、雷はとても恐ろしいものだったはずです。

 

清少納言も『枕草子』の中で、

 

「いかづちは名のみにもあらず、いみじう恐ろし」

(雷は名前だけでなく、実際とても恐ろしい)

 

と言っています。

 

 

その一方、稲妻(電光)はちょっと扱いが違います。

 

稲妻は、稲が実る時期によく見られることから、

稲妻によって稲が実ると考えられていたようです。

 

確かに、雷が多いと豊作になるといった俗信がありますが、

これは科学的にも証明されているそうですね。

 

雷の放電によって、空気中の窒素が土に溶け込むことによって、

稲の養分となるのだとか。

 

 

災害をもらたす一方で、実りももたらす雷。

私達は、こういう存在とうまく付き合っていくことが大切ですね。