一年を24に分けたものを二十四節気と呼び、
それをさらに3等分ずつにしたものを七十二候と呼びます。
ひとつの節気で大体15日間、ひとつの候で約5日間です。
9月17日~9月21日頃は、二十四節気で言うと「白露」、
七十二候は「玄鳥去」と名付けられています。
* * * * * * * *
今回の七十二候の「玄鳥」は、
とある鳥の別名なのですが、何の鳥でしょう?
画像を載せましたので、お分かりの方も多いと思いますが、
玄鳥(げんちょう)はツバメの別名です。
七十二候では「玄鳥」をツバメと読ませて、
「玄鳥去」で「つばめさる」となります。
春に飛来したツバメが子育てを終え、
南へ帰っていく時期ということです。
玄は黒色という意味。
ですので、玄鳥は黒い鳥ということになりますね。
玄の字を使った有名な生き物というと、
古代中国の霊獣「玄武(げんぶ)」がいます。
玄武は、蛇と亀を合体させたような姿です。
古代中国の思想では、
東西南北それぞれを霊獣一体ずつが守護していると考えられ、
四つの霊獣を合わせて四神と呼びます。
四神とは、皆さんご存知の青龍、白虎、朱雀、玄武です。
さて、四神には色が入っていることにお気づきですか?
これは五行説の影響です。
五行説では、この世の万物は、木、火、土、金、水という
5つの要素の循環によって成り立っていると考えるため、
方角、色、季節、動物、食べ物、体の部位など、
様々なものを五行に当てはめます。
例えば、
木 → 東・青・春
火 → 南・赤・夏
土 → 中心・黄・土用
金 → 西・白・秋
水 → 北・黒・冬
という具合です。
これに沿って、改めて四神を見てみると、
青龍 → 東の守護
朱雀 → 南の守護
白虎 → 西の守護
玄武 → 北の守護
という風に、
五行説に基づいた色と方角のセットになっていることが分かります。
ちなみに、
「青春」も五行説から生まれた言葉ですし(青・春は「木」の分類)
「北原白秋」という詩人の名が、なぜ「白い秋」なのかと言えば、
これも五行説が由来だから。(白・秋は「金」の分類)
このように、私たちの身近にも、
五行説に関係する言葉があるんですね。
私は、勤務先の高校で四神や五行説の話をすることがありますが、
高校生は四神を知っていたり、五行説の理解が早かったりします。
それはゲームや漫画に登場するから。
例えば、大ヒットしたスマホゲーム『パズル&ドラゴンズ(通称パズドラ)』にも
神話の神々や四神、五行説の考えなどが登場します。
ゲームや漫画から知識を得ることには賛否両論あるかと思いますが、
楽しいから学ぶ、好きなことをやりながら自然と身につく、
というのは無理がなくていいなぁと感じます。
皆さまもぜひ楽しいと感じる学びを続けてくださいませ。