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【立秋】蚊帳のすごい効果

一年を24に分けたものを二十四節気と呼び、

それをさらに3等分ずつにしたものを七十二候と呼びます。

 

ひとつの節気で大体15日間、ひとつの候で約5日間です。

 

8月7日~8月11日頃は、二十四節気で言うと「立秋」、

七十二候は「涼風至(すずかぜいたる)」と名付けられています。

 

* * *

 

今日から立秋です。

 

今年は梅雨明けが遅かったので、

ようやく夏本番というところですが、

暦の上では秋が始まりました。

 

 

ただ、今日から秋になったと捉えるよりは、

暦の上では、昨日までが大暑(一年で一番暑い時期)でしたので、

一番暑い時期を経てこれからゆっくりと秋に向かっていくのね、

くらいに考えた方が良いと思います。

 

現代は、まだまだ猛暑日も熱帯夜も続きますしね。

 

 

七十二候は「涼風至」です。

 

お住いの地域によっては、夜に風が吹いて、

ちょっと涼しい感じを味わっている方もいらっしゃるでしょう。

 

私の住んでいる地域は、涼風の到来はまだ先かなと思います。

 

というわけで、少しでも涼風を感じるべく、

今日は蚊帳(かや)のお話です。

 

蚊帳は、蚊などの虫よけとして室内(主に寝室)につるす道具ですが、

 

実は蚊帳をつるすことで、体感温度が少し下がるというのです。

 

特に麻でできた蚊帳は吸湿性に優れているため、

このような効果が得られるそう。

 

自然の知恵ですね。

 

 

昔は、蚊帳の角に匂い袋を掛けることが流行ったりもしたそうです。

 

匂い袋に使う香料には防虫効果が期待できるものもあるので、

虫よけになりますし、

 

匂い袋の良い香りに囲まれて寝たら、

蚊帳の吸湿性と相まって、より快適に眠れそうですね。

 

 

なお、昔は蚊帳に入ると雷の災いを避けることができるという

俗信がありました。

 

どの蚊帳へ行ても時平つき出され

 

という江戸時代の川柳があります。

 

時平とは藤原時平のこと。

 

藤原時平は、菅原道真を太宰府へ左遷させた張本人

と言われています。

 

菅原道真は怨霊となり、宮中に雷を落としたという伝説があるため、

 

上述した川柳では、

怨霊となった道真に雷を落とされてはたまらないから、

どの蚊帳も時平を受け入れなかったという意味になるのです。

 

江戸時代の人は、平安時代の時平や道真のことをよく知っていたからこそ、

こうやって川柳にして楽しむことができたのですね。