一年を24に分けたものを二十四節気と呼び、
それをさらに3等分ずつにしたものを七十二候と呼びます。
ひとつの節気で大体15日間、ひとつの候で約5日間です。
7月17日~7月21日頃は、二十四節気で言うと「小暑」、
七十二候は「鷹乃学習(たかすなわちわざをなす)」と名付けられています。
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初夏に生まれた鷹のヒナが、
巣立ちの準備のために、飛び方や狩りの仕方を学ぶ時期です。
というわけで、今回は鷹のお話。
鷹は生きた獲物を捕らえる習性があるため、
昔から飼いならして狩りに用いていました。
鷹を腕に載せた鷹匠(鷹を飼いならす役)の姿を
表現した埴輪も出土されているんです。
古代から鷹は日本人の生活に切り離せないものでした。
そのためか、鷹に関することわざは数多くあります。
『故事俗信ことわざ辞典』には、
鷹のことわざが30個も載っていました。
その中から2つ紹介します。
「鷹は飢えても穂はつまず」
高潔な人は、どんなに困窮しても不正な利益を得ようとしないという意味。
「鷹は羽根を惜しみ士は名を惜しむ」
唐土の虎が毛を惜しむように、日本の鷹は羽を惜しみ、武士は名を惜しむ。
武士は何よりも名誉を重んじるという意味。
ことわざで、鷹が高潔な人間の例えになっていたり、
武士と並び立つ存在として表現されていることから、
日本人にとって鷹は、とても良いイメージであることが分かります。
「一富士二鷹三茄子」なんて表現もありますね。
鷹の鋭い眼光は邪気を払うと考えられたり、
鋭い爪は運をつかむ等と考えられ、
鷹は縁起が良いものとして扱われてきました。
さて、次に示す言葉はいったい何でしょう?
白鷹 鷹勇 神鷹 瑞鷹
能鷹 天鷹 大鷹 朝日鷹
ピンと来た方は、きっとお酒がお好きでしょうね。
これらは全て日本酒の銘柄です。
多くの日本酒に鷹の字が使われていることから、
現代の私達にとっても鷹は馴染み深く、
日本らしさや縁起の良さ、高潔さなどを感じさせる
とてもイメージの良い言葉であることが分かります。
さて、「鷹揚」とは、
鷹が自信に満ち、悠然と空を飛ぶ姿から出来た言葉で、
小さいことにこだわらず、ゆったりと威厳に満ちて上品な様子を意味します。
そんな風に過ごせたら素敵ですね。
ぜひ日頃から鷹揚としていたいものです。