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【芒種】カマキリの古名は面白い

一年を24に分けたものを二十四節気と呼び、

それをさらに3等分ずつにしたものを七十二候と呼びます。

 

ひとつの節気で大体15日間、ひとつの候で約5日間です。

 

6月5日~6月9日頃は、二十四節気で言うと「芒種」、

七十二候は「蟷螂生」と名付けられています。

 

* * *

 

二十四節気が「芒種(ぼうしゅ)」になりました。

穀物の種まきや稲の植え付けの時期を意味します。

 

七十二候は、「蟷螂生(かまきりしょうず)」

つまり、カマキリが誕生する時期ということです。

 

なぜ、カマキリが七十二候になっているかというと、

 

カマキリは、農作物を荒らす害虫を食べてくれる、

ありがたい存在だから。

 

七十二候の名称は、その時期の特徴的な自然現象になぞらえて

付けられていますが、

 

日本は農耕の国なので、

七十二候も稲作など農産業に関わる事柄が多くなっています。

 

 

さて、カマキリの古名は何でしょう?

 

 

カマキリの漢字表記「蟷螂」を、

「とうろう」と読むことをご存知の方は多いと思います。

 

「とうろう」も古名のひとつです。

 

これは「蟷螂」を漢語的に読んだもので、

平安時代くらいから使われているようです。

 

 

蟷螂が斧(もしくは蟷螂の斧)とは、

 

"弱者が自分の力量を考えず、強者に立ち向かうこと”

 

を意味しますが、

 

中国の故事が由来なので、

「カマキリが斧」ではなく「とうろうが斧」と読みます。

 

方言によっては、カマキリのことを「とうろう」と呼ぶ

地域もあるようですね。

 

 

実は、「とうろう」以外にもカマキリの古名はあります。

 

 

その名も、

 

いぼむしり!

 

 

いぼとは、

身体に出来るあのイボのことです。

 

 

時代によって音が微妙に変化して、

「いぼうじり」「いぼじり」「いもじり」など色々な

言い方がありますが、

 

いぼむしりとは、なんとも奇妙な名前ですね。

 

これは、

カマキリにイボを触らせたり、かじらせたりすると、

イボが治るという俗説があったからのようです。

 

 

その他、「かまぎっちょう」「はいとりむし」など、

地域によって様々な呼び名があったようです。

 

これらの方言が残っている地域もあるのではないでしょうか。