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【穀雨】牡丹が咲く頃

一年を24に分けたものを二十四節気と呼び、

それをさらに3等分ずつにしたものを七十二候と呼びます。

 

ひとつの節気で大体15日間、ひとつの候で約5日間です。

 

4月30日~5月4日頃は、二十四節気で言うと「穀雨」、

七十二候は「牡丹華」と名付けられています。

 

* * *

 

牡丹華(ぼたんはなさく)とは何とも優美な名称ですね。

 

というわけで、今日は牡丹のお話です。

 

 

牡丹は中国原産で、古く日本に渡来し、

平安時代には観賞用として栽培されていたようです。

 

中国では「花の王」として愛好されてきました。

 

 

取り合わせの良いもの表現として、「梅にうぐいす」などの

言葉がありますが、

 

牡丹は一体何と組み合わせると思いますか?

 

 

正解は獅子。

 

 

獅子と合わせて、「獅子に牡丹」「唐獅子牡丹」などという

言い方をします。

 

花の王である牡丹と、百獣の王である獅子、

王様同士の組み合わせというわけです。

 

 

さて、この牡丹ですが、

『日本国語大辞典』(全13巻にもなる巨編辞典です)を見ると、

 

牡丹という名前の語源説として、

 

「ギリシア語Bota-ne-を、古代中国で音訳したもの」

 

と書いてありました。

 

 

botaneは古代ギリシャ語で、牧草、草、薬草という意味で、

 

その派生語には「botanical(ボタニカル)」があります。

 

 

なんとびっくり、

牡丹とボタニカルは親戚同士の言葉だったのです!

 

 

現在の英語では牡丹は「Peony」なので、

現代語からでは、牡丹とボタニカルの関係に気づくことは無理でしょう。

 

古くさかのぼるとつながりが見えてくる、

言葉って面白いですね。